YNSA(山元式新頭針療法)とは

YNSAとは山元式新頭針療法の略称です。宮崎県の医師「山元敏勝」先生によって考案されたこの技術は、残念なことに日本ではあまり知られていませんが、世界ではすでに数千人の医師が実践する非常に有名な治療法です。鬱病、ノイローゼ、脳梗塞、脳出血、麻痺などの中枢性疾患、腰痛、肩こり、膝の痛み、痺れ、めまい、耳鳴りなどの様々な疾患に非常に有効なことが世界中で認められています。YNSAの優れた効果は世界中で認められています。ドイツでは、整形外科をはじめとして麻酔科、内科など多様な診療科の医師が実践し、ブラジルでは山元先生の名前を冠した病院がブラジル政府の国費によって建てられています。YNSAは頭に(正確には頭皮に)鍼をさすことで治療します。頭皮鍼は中国では複数の流派がありますが、それぞれ反射区が違っており、また手技の修得も難しい事からあまり一般的ではなく、効果も治療者の技術によって差があります。YNSAは、Made in Japanの鍼灸治療法として一貫した理論と実績があります。

YNSAと鍼灸治療の違い


YNSAは経絡や経穴を使った治療ではありません。YNSAの基本の治療ではA〜Nまでの14つの基本点を使用します。YNSAの特徴はその独自の反射区と診断方法にあります。山元先生と先人の先生方が、発見されたこの頭部の新しいツボ(反射区)は全身の疾患に対応しており、麻痺などの肢体不自由だけではなく、がん性疼痛や整形外科的な肩こり・首・腰・膝などのあらゆる痛み・目・鼻・口などの各器官の様々な感覚異常、痛み・痺れ・耳鳴りに対応しており、様々な症状を改善できる可能性があります。中でも難治病とされるパーキンソン病・片麻痺・痛み・耳鳴り・めまい・どこに行っても治らない腰痛などに優れた効果があります。

治療の特徴


YNSAの特徴は、山元先生が発見された頭部のツボに鍼をすることです。このツボは全身に対応しており、麻痺や肩こり、腰・膝の痛みなど、さまざまな症状にアプローチできます。鬱病やノイローゼの症状にも効果的です。また、座ったままで施術できるので、服を着替えたりする必要がありません。施術中に状態の変化を確認し、コミュニケーションをとりながら進めることができます。当院には、鍼の苦手な方には低周波治療(SSP)で行う、鍼を刺さないやり方もあります。さらに、「ていしん」と言われる先端が丸くなっている刺入できない鍼で、手足の皮膚を刺激する施術を併せて行うこともあります。これらはお客様に合わせて行います。

全ての痛み、頭痛・腰痛・肩こり・スポーツ、交通事故による捻挫・打撲などによる痛みに対して80%以上の効果が期待される。

参考)腰痛に悩む方の場合

施術前、前屈してもらったところ、写真1のような状態であった。写真2のように頭針療法を行う。施術後(写真3)、前屈してもらう。施術前(写真1)よりも前に倒しやすくなっている。

(写真4〜6の部分)施術前、右腕を挙げてもらったところ、写真4のような状態であった。写真5のように頭針療法を行う。施術後(写真6)、再度右腕を挙げていただく。施術前(写真4)よりも挙げやすくなっている。

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺の原因は、ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスが顔面神経管の中で炎症を起こし、神経が圧迫されて変性することと言われています。様々なストレスなどで疲労が積み重なった後、突然発症することが多いようです。顔の半分が突然、ずり落ちたようになり、口角が片方下がり、食べ物や水を飲むとこぼれおちてしまいます。眼も片方空いたままになってしまい、閉じる事が困難になってしまいます。顔面神経は顔の表情筋だけでなく、味覚・涙・唾液・聴覚とも関係しているので、障害を受けた部位によって症状が変わってきます。発症後はステロイドの治療を2~4週間行う事が一般的です。YNSAⓇの鍼施術でも顔面神経麻痺に取り組んでいます。YNSAのポイントには脳神経を含む脳幹部もあり、顔面神経は脳神経の7番目になります。また眼・鼻・口に該当するポイントもあります。合谷と言われるツボ・上腕部・首にある診断ポイントを見ながら頭皮にあるポイントに刺鍼していきます。鍼の深さは2ミリ程度です。脳は頭蓋骨に覆われているので安全です。頭皮に鍼をしたまま30分程置きます。

耳鳴り

耳鳴りには、キーン・ピーンという高音型、ブーン・ゴーという重低音型、その混合型の大きく3種類あります。多くは高音型で、原因は加齢による聴力低下が多いといわれています。聴覚の低下により聞こえにくくなった高音域の音を聞こうと脳が興奮して、音を作り出している状態と言われています。耳鳴りが気になりだすと神経質になりがちです。少しの耳鳴りが気になってしまいます。酷くなると気になって眠れなくなってしまうこともあります。精神的に強いストレス・不安があると自律神経が疲弊します。脳が疲労・興奮して自律神経が乱れて症状が長く続いてしまいます。脳の疲労と耳鳴りは密接な関係があります。YNSAの鍼施術でには自律神経の働きを調整するポイントがあります。脳が疲れているとその診断ポイントに圧痛や、硬さがでてきます。その診断点に対応した頭皮のポイントに鍼をしていきます。刺鍼して脳がリラックスすると眠気が訪れます。そのまま30分程休んでいただきます。座ったまま施術が出来るので着替える必要はありません。刺す瞬間「チクッ」とすることはありますが、刺す瞬間だけです。頭に刺鍼しても頭蓋骨があるので、脳に刺さる事なく安全です。

痛み・リウマチ

YNSAでは頭皮に鍼をします。腰の痛みでも頭皮に鍼をします。頭に鍼する事と腰痛とは関係なさそうですが、痛みは脳で感じています。本来、人は痛みを抑える働きをもっています。痛みを抑える働きと脳には深い関係があります。痛みがあると脳内から痛みを和らげる物質が出て痛みを緩和させたり、神経の働きを使って痛みの回路をストップさせたりします。しかし、生活習慣仕事の人間関係・家族間の問題などで、身体の疲労、精神的ストレスが続くと、脳が持っている痛みを抑える働きが低下してしまいます。痛みを抑える働きに関係する脳の場所は、前頭前野と扁桃体と言われるところです。前頭前野は「人間らしい意思の最高中枢」ともいわれています。理性・知性と関連があり、将来を予測して計画を立てたり、行動するところです。扁桃体は、脳の中では人間以外の動物にも有る原始的な部分で、生命維持に必要不可欠の場所です。いかに早く危険を察知して身を守るか?等「逃避・攻撃・怒り・恐怖・不安・・・」と深い関連があります。前頭前野がしっかり働いている間は痛みを抑えることは可能ですが、長引くストレスによ前頭前野の働きが低下してしまうと、扁桃体の暴走が止められなくなります。体調や精神状態が普通の時よりも何倍にも痛みを感じやすくしてしまいます。このように感情と痛みは大きく関係しています。頭皮に鍼をすることによって身体と脳の働きを整えて痛みを緩和させていきます。

脳梗塞・パーキンソン病

YNSAの鍼治療の大きな特徴は、脳梗塞、脳出血後遺症・パーキンソン病といった疾患に対して取り組んでいるところです。脳内の障害を受けた部分や脳内の問題のある組織を変化・改善させることは難しいと思います。しかし障害を受けていない部分の働きがよくなり、その影響で脳内と身体全体の働きがよくなり生活の質の改善することは可能と考えます。例えば無気力な状態から表情が明るくなり、家族と話をするようになる。怒りっぽく興奮しやすい状態から穏やかになる。リハビリに積極的に意欲的になる。お通じがよくなる。スッと眠れる、途中で眼が覚める回数が少なくなる。震えが少なくなる時間が増える。麻痺で動かない腕が軽くなり、動かしやすくなる。痛み痺れが軽減する。着替えがしやすくなる。人に手を動かしてもらっても痛みが減る。等が少しでも楽になることです。YNSA(山元式新頭鍼療法)の施術によって少しでも生活の質の改善が見られる可能性があります。施術を続ける意味はあります。私たちは、辛い症状で悩む患者さんとそのご家族の方が笑顔をとりもどし、一歩前に踏み出すきっかけになりたいと考えています。

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